初春

Posted on 2018年 1月 31日(水)

1月1日
敬頌新禧
平成三十年
2018
戊戌(つちのえ いぬ)

本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。 皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

中山みち
micih Nakayama
びょうびょう
“byo byo”
戌 
Dog
W11×H7×D2.6 cm
土佐の土
Tosa Japanese Soil

 

 

 

 

 

1月2日
季節の台所仕事…。
元旦に食した我が家の
『おせち料理』
正月とは、年始に年神様をお迎えしてもてなし、お見送りする行事。
本来は新年最初の月である1月を意味し、一般的には年神様がいる「松の内」(1月1〜7日または15日まで)をさします。
新年の五穀豊穣、無病息災を思い食べ物にも願いを込めるのが本来の慣わしになります。
また おせちとは、即ち台所を預かる者への少なからず戒めの意も込められているのではなかろうか。

 

 

 

 

 

重箱は一昨年に縁あって知り合いの方から頂いたものです。
明治卅、年頃のつくです。

 

 

 

 

 

お屠蘇に水引き、千両、稲穂もあしらえて。
「屠蘇」という言葉には「邪気を屠(ほふ)り、魂を蘇らせる」という意味があります(悪鬼を屠り、死者を蘇らせる)。なので元旦にお屠蘇を飲むと、その年の邪気を除き、家庭健康で幸福を迎えると言い伝えられています。

 

 

 

 

 

雑煮
旧年の収穫や家族の無事に感謝し、新年の豊作や家内安全を祈っていただく。本来は、恵方(年神様がいる方角)から汲んできた「若水」で作るのが慣わしで、神様とともにいただく神聖な料理とされる。

 

 

 

 

 

壱の重
祝い肴(数の子 黒豆 田作り)や紅白かまぼこ 伊達巻 錦卵などのお屠蘇の肴になるものを。品数は奇数とする。
【品目】
・数の子 子宝と子孫繁栄を祈る
・黒豆 「まめに働けますように」と願いを込めて
・田作り 田の肥となる小魚に五穀豊穣を祈願
・紅白かまぼこ 日の出を象徴するものとして必須
・伊達巻 巻物は大事なものを象徴
・錦卵 色合いを金と銀にたとえた縁起物
・栗きんとん 金団(きんとん)で金運を呼ぶ

 

 

 

 

 

弐の重
酢の物 焼き物 煮物などの肴を取り合わせ、奇数の料理を詰める。
【品目】
・紅白なます 紅白の彩りもおめでたい
・海老 長いヒゲと曲がった腰が長生きの象徴
・昆布巻き 「よろこぶ」にかけ、一家発展を祈る
・鰤の焼き物 ぶりは大きさによって名前が変わる出世魚ぶりで立身出世を願う
・酢だこはたこを多幸と書いて、幸せがたくさんありますようにという願いが込められている
・栗羊羹
「勝ち栗」

 

 

 

 

 

参の重
家の味となる煮しめをたっぷりと詰める。
【品目】
・蓮根 先の見通しもよく順風満帆に歩めますように
・里芋 多くの小芋が付くことから、子宝に恵まれることを祈る
・手綱蒟蒻 手綱を締めて心を引き締めるという武家の名残り
・牛蒡 土に力強く根を張ることから、安泰を願う
・人参 丸い人参は「日の出」人参。丸は良縁を意味するとも
・鶏肉 運を“とり”込む

 

 

 

 

 

1月7日
本日、7日七草粥にて
“the seven herb rice porridge”
七草は、早春にいち早く芽吹くことから邪気を払うといわれてきました。1月7日に食べる七草粥の習慣は、江戸時代に広まり…。年頭にあたって豊年を祈願し、そこで無病息災を祈って七草粥を食べようになりました。また飲んだり食べたり疲れている、お正月明けの胃腸にも、とてもやさしい食べ物です。
The seven herb rice porridge was introduced from China and then became popular in Japan by Edo period. Its original intention is to protect oneself against evils and invite good luck and longevity by eating the seven herbs that endure the cold winter.

芹(せり)
water dropwort
競り合うように生えることから、この名がついたと言われています。その為、「競り勝つ」という意味をもち縁起物とされています。

薺(なずな)
shepherd’s purse
「なでて汚れをはらう」とされる縁起の良い植物。

御形(ごぎょう)
cudweed
仏のからだ(仏体)を表すとも言われ、縁起物とされています。

繁縷(はこべら)
chickweed
「繁栄がはびこる」意味をもち縁起のよい植物とされています。

仏の座(ほとけのざ)
henbit
ホトケノザとはその名の通り「仏の座」と書き、まさに縁起物であることが伝わります。

菘・鈴菜(すずな)
turnip
スズナは「神を呼ぶ鈴」として縁起物とされています。

清白・蘿蔔(すずしろ)
daikon radish
大根でお馴染みの、その根である白い部分が「汚れのない純白さ」を表しスズシロと呼ばれるようになったとされています。

 

 

 

 

 

1月15日
本日、小正月。
小正月とは元日を大正月というのに対して呼んだ名。
松の内に忙しく働いた主婦をねぎらう意味で「女正月」とも呼ばれています。
歳神様や先祖を迎える行事を行う大正月に対して、小正月は家庭的な行事を行う正月で、盆と同様に大切な節目でもあります。
邪気を払い万病を防ぐ意を込めた小豆粥に鏡割りのお餅を入れていただきます。
小豆のように赤い色の食べものは邪気を払うと考えられており、古くは『土佐日記』や『枕草子』などにも、小正月に小豆粥を食べたことも記されております。

 

 

 

 

 

1月16日
土佐の郷土料理
御仏事(おぶつじ)
大根 人参 里芋 ごぼう こんにゃく 厚揚げ 椎茸などを、細かくさいの目に切り、小豆のだしで、醤油、みりん、塩、砂糖を加え、ことこと煮ます。
昔から高知では冬に大鍋で煮込み,何度も煮返しながら食べられて来ました。
浄土真宗の多い、この辺りでは親鸞聖人の毎年のご命日(旧暦11月28日、新暦1月16日)に際してのご法事『お取り越し』にお供えしたり、ご近所にくばったりします。
お味の方は、特に美味しいというわけではございませんが、この食材の組み合わせに身土不二をも感じさせる、先人の知恵には学ぶものも大きいかと思われます。

 

 

 

 

 

1月27日
冷たい空気に思わず身体も縮み上がる季節。

本日、季節の台所仕事…。

「芹の白和え」
「田舎豆腐の田楽」
「豚汁(最後に野蒜を散らして)」
「落花生ご飯」

それでも「三寒四温」の寒い日が3日続いた後、暖かい日が4日続き、寒暖を繰り返しながら季節は、順番に春に向かっております。