山くじら
yamakujira
亥 Boar
W9×H5.5×D3cm
犬と同じぐらい臭覚が優れ神経質な生き物であるイノシシ。
縄文時代から狩猟対象で、日本の人々にとって貴重なタンパク源でもありイノシシを食べることは「薬喰い」といわれ、滋養や保温のために薬として特に重宝されました。
狩猟の時代が終わり、奈良時代から明治時代にかけ日本は長い肉食禁止の時代に入ります。
仏教を厚く信仰していた日本は、身分の上下に関わらず、動物を殺してしまうことを慎みました。
ところが江戸時代、イノシシ肉は「山くじら」という隠語て、人々に楽しまれていた記録が残っており、歌川広重「名所江戸百景 びくにはし雪中」でも「山くじら」と書かれた大きな看板が描かれています。
当時イノシシは「海の生き物」と解釈し、「出しているのは肉ではなく、山のクジラだから」という方便や肉の食感が鯨肉に似ているなどの意味合いから提供されていました。
また「獅子に牡丹」という成句から、獅子を猪に置き換えて牡丹肉とも呼ばれイノシシ肉の鍋料理は「ぼたん鍋」と称され建前と本音を使い分けてきた肉食の歴史の中で日本人の驚くべき柔軟性を持った食文化を今に、この「山くじら」は語っています。
● 作者の意図
この作品は土を生かした焼き物ではない置物です。そのため、とても壊れやすいです。無事、務めを終えたとき、もう必要なくなったなと思ったときは、そっと土に還してあげてください。もし飾っている途中、何らかの事情で壊れてしまっても、そこは決してもったいないとか、残念だとか、落ち込んだりする必要はありません。寧ろ、その時この子はあなたの役に立つことが出来、悦んでいます。カタチあるものは、やがてなくなるのが常。それが、この子のお役目なのですから。土こそが自然界における、すべての土台です。『山くじら』は、土へ還すことで、その新しい土地で蘇生し、またこの世の中を見守り続け、自然と人との共栄を願う作品になります。
● 作品が出来るまでの工程
自宅の山から赤土を採取し、これを一度、日に干し乾燥させます。土が乾いたところで、振るいにかけ細かい土だけを選別します。そこへ藁と水を練り込み、一晩寝かした土を水分調整し、それから一つ一つカタチを創り、自然乾燥させた作品です。焼き物ではありませんので、比較的壊れやすく「水」厳禁で取扱いの方は宜しくお願い致します。
2019年は、土と水が組み合わさった年。
【己亥(つちのとい、きがい)】
己亥は60年に一度の組み合わせになります。
古く中国から干支が伝わった当時、日本では豚に馴染みがなかったためイノシシになったそうです。また、中国では「猪」という字は「豚」を意味します。台湾、香港、中国、韓国などでは「豚年」金の豚年といわれています。
山くじら
¥1,200(税込)
台座・土佐産ヒノキの扇板は別売り 一枚
¥1,000(税込)
また県外発送は12月8日(土)まで承ります。
ご利用の場合は、銀行振り込みのみでお願い致します。
(ご注文の際はメールもしくは、Telでお願い致します。)
送料は以下の金額が基準です。
一つの箱で2個までなら入ります。
北海道(¥1,900)
北東北・南東北・沖縄(¥1,500)
関東・信越(¥1,250)
北陸・中部・九州(¥1,150)
関西・中国・四国(¥1,030)
例:1個(山くじら¥1,200)+ 送料(関東¥1,250)=¥2,450(税込)が振り込み金額になります。
数にもよりますが12月21日(金)までには、お届け出来るかと思います。
連絡・問い合わせ / 中山みち
〒781-0311
高知市春野町芳原706-ィ
Tel.090-5146-0766
info@nakayamamichi.jp